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現在、会社員だが、学生時代に払い込んでいた国民年金の加入記録が記載されていない。
(平成9年以前から会社に年金手帳を預けっぱなしにしている方は要注意!)
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基礎年金番号ができる平成9年1月以前は、国民年金、厚生年金それぞれに別の番号が振られていました。
特に多いのは、学生時代に本人や親が国民年金保険料を納付していた方や、学生納付特例を利用して納付を猶予されていた方が、平成9年1月までの間に就職して、新たに厚生年金に加入していた場合。
この場合は、平成9年1月現に使用されていた「厚生年金」の番号が基礎年金番号になっているので、学生時代の国民年金の記録をこの基礎年金番号に統合してもらわなければなりません。しかし、年金手帳を会社に預かってもらっているため、記録が統合されていないことに全く気づいていない、または会社が統合処理をしてくれていると思い込んで安心しきっている方がかなり多いのです。
基礎年金番号導入時に社会保険庁は「基礎年金番号通知書」を発送し、あわせて他に年金手帳のある人は、その番号を連絡するよう返信はがきもつけていたのですが、本人がその返信はがきに国民年金の番号を記入して送り返しているか、会社が社員から預かっている年金手帳に、国民・厚生ふたつの番号が記載されている、または2冊預かっていることに気づいて、社会保険事務所に統合の登録処理を依頼していなければ、学生時代の国民年金の記録は未だに別の番号に記録され続けていて、基礎年金番号に統合されていない「消えた年金」のひとつになってしまっているのです。
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以前勤めていた職歴が、全く記載されていない。
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以前は、転職するたびに年金手帳を作ってもらっていたり、退職して国民年金に切り替わる際、別の年金手帳を作ってもらっているなど、基礎年金番号になっている現在の年金手帳のほかに、記録が統合されていない別の年金手帳(厚生年金の番号)を持っている可能性があります。家の中をよく探してみてください。
もし、見当たらなければ、社会保険事務所に「氏名(旧姓がある場合は旧姓も)、住所、生年月日のほか、勤めていた会社名、所在地(市町村名)、おおよその在職時期」を申し出て、記録を調べてもらってください。たとえ今ではその会社がつぶれて存在しなくなっているとしても、保険料を会社で源泉徴収されていたなら、きっと見つかるはずです。
万が一、調査しても見つからない場合には、給与明細を提示するとか、以前勤めていた会社に在職していて保険料の源泉徴収をしていた旨、証明をしてもらうなどしなければなりません。保険料の源泉徴収はされていたが、会社が社会保険事務所への保険料納付を怠っていた(保険料を会社が懐に入れていた)などという場合もまれにありますが、いずれにしても、そのような場合には、年金記録問題第三者委員会への申し立てで記録の訂正を求めることになります。
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昭和61年4月までの記載が抜けている。
(昭和61年4月をまたいで専業主婦だった方から多い質問)
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ねんきんあんしんダイヤルなどを利用して、被保険者記録照会回答票を取り寄せてみると、結婚する前に勤めていた会社の記録はあるものの、その後、専業主婦として第三号被保険者になっているはずの期間がすっぽり抜けて、なんだかわからない昭和61年4月1日付でようやく国民年金(第三号被保険者)資格取得の記載がついてる。その間は、全く空白になってしまっていておかしい。「消えた年金だ!」と言う方がいます。
でも、それは違うのです。
保険料を拠出する現在の国民年金は昭和34年からスタートした制度ですが、昭和61年4月までの間は、いわゆる専業主婦の方は任意加入でしたので、20歳〜60歳の間でも、あえて自ら市町村役場へ赴き、国民年金任意加入の手続をしなければ、被保険者期間にはならないし、その上でちゃんと保険料を納付していなければ、保険料納付済期間にもなりません。
昭和61年4月に年金制度が大きく変わり、このときに国民年金第三号被保険者の制度も創設されて、専業主婦の方たちも国民年金強制加入となったのです。
昭和61年4月までの間に国民年金に任意加入して保険料を納付していなかった場合は、何の被保険者期間でもありませんから、記録としては空白ですし、将来、老齢基礎年金が支給される際には、その期間相当分が満額から差し引かれた額が、終身支給されることとなります。
ただし、このような場合でも、万が一、老齢基礎年金の裁定請求をする際に、加入期間が資格期間(原則25年)に満たない場合には、専業主婦で任意加入しなかった期間も、金額としてはなんら反映されませんが、期間の中には含めてもらえる措置があります。
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専業主婦だから第三号被保険者なのに、その記載が抜けている。
(昭和61年4月以降の期間)
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被保険者記録照会回答票を取り寄せてみると、職歴はしっかり記載されているものの、専業主婦として配偶者の被扶養者だった(国民年金第三号被保険者)期間の記載が全くないという方がいます。
これまで年金問題には全く無関心で、健康保険は夫の被扶養者になっていたし、年金も夫が事業所を通して同様の手続をしてくれていると思っている方が多いようです。
現在では、事業所に勤務している方の被扶養配偶者の手続は、健康保険だけでなく年金についても事業所を通して行われていますが、それは平成14年からのことで、それ以前は、会社を辞めて専業主婦になる場合などには、自らが市町村役場へ足を運んで第三号被保険者になる手続をしなければなりませんでした。それを怠ったままでいると、その間は、何の被保険者でもない空白の期間ということになってしまいます。
第三号被保険者の制度ができた昭和61年4月以降、そのような空白期間がある方はたくさんいて、救済措置として特例制度ができています。
課税非課税証明書や健康保険被扶養者の記録、それらがない場合でも戸籍謄本などで第三号被保険者だったっことを認定してもらい、空白を埋めることができます。現在、自らが事業所に勤務している場合は事業所を通して、被扶養配偶者の場合は、配偶者の勤務する事業所を通して、第1号被保険者の場合は自ら社会保険事務所で手続をすることとなります。
※もし、わからない、面倒などの場合は、ご連絡ください。
北多摩社会保険労務士事務所でお手続を代行させていただきます。
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公務員や教職員だった期間が抜けている。
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国家公務員や地方公務員、私立学校教職員だった方は、厚生年金ではなく、共済に加入していたわけですが、各共済組織では組合員・加入員の資産や記録を独自に管理しているために、社会保険庁が発行する被保険者記録照会回答票には、記録の記載がない場合があります。これは、社会保険庁では、各共済組織から提供されたデータの範囲でしか情報を提供できないためです。
ですから、共済だった期間については、仮に勤めていた期間の記録が記載されていなくても、社会保険庁からの回答票を見て「消えた年金」と決め付けてはいけません。
共済に加入していた方が、加入記録の確認をしたい場合には、所属していた各共済組織へ照会を申し出てください。
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その時には存在しない会社に勤めていることになっている。
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社会保険庁では、被保険者記録回答票には、現在では基本的に資格喪失時の事業所名称を表記することにしていますが、企業合併や社名変更などはよくあることで、退職後でも、事業所に名称変更などがあった場合には、勤めていない会社に勤めていたような記載になってしまっていることがあります。
しかし、変更されているのは事業所名だけなので、事業所番号はもとより、加入期間や標準報酬月額などがいじくられることはありません。しかし、問い合わせをするときには、わかっているなら、新旧社名を伝えられるといいですね。
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国民年金の加入月数を見ると、加入月数より納付済月数の方が多くなっている。
これって払いすぎ?
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現在、国民年金第三号被保険者(いわゆる専業主婦)の方が被保険者記録照会回答票を取り寄せると、不思議な現象が起こっていることに気づきます。
加入の履歴は正しいのですが、下の方の集計欄を見ると、納付済月数の合計と被保険者対象月数の合計にずれがあります。被保険者対象月数は、回答票が発行された日の前月までの分が合計されているのですが、納付済月数はそれより多くなっています。なんだか得したような気分で黙っている方も多いのではと思いますが、その期間はいずれも3月(年度末)までの月数分です。
社会保険庁の事務処理上、第三号被保険者については、あらかじめ年度末まで加入している処理をしているからなのだそうです。決して社会保険庁がサービスでつけてくれているのではありません。
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保険料を納付していない期間を見つけたが、今からでも保険料を納付できるか。
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国民年金は20歳〜60歳までの40年間(480月)をすべて納付して初めて満額の支給となり、1ヶ月でも欠けると相応の減額がされる仕組みとなっています。
20歳以上の学生だった期間に学生納付特例や免除を受けていない場合や、離職と次の就職の間に、1ヶ月以上の空白ができてしまうこともよくあります。
被保険者記録照会回答票を取り寄せて改めてそのような空白があることに気づき、納付したいという方もいます。また、学生納付特例や免除を受けていたことをすっかり忘れていたので、今からでも追納したいという方もいます。
未納だった場合と、納付の特例や免除を受けていた場合では取り扱いが違います。
未納だった場合……過去にさかのぼって納付できる期間は2年間です。
学生納付特例や免除制度を利用していた場合……10年以内なら追納できます。
いずれの場合も追納したい場合には、社会保険事務所に連絡して納付書を送付してもらってください。
※学生納付特例の場合は、学生の期間だけ保険料の納付が猶予される趣旨の制度ですから、
資格期間にはカウントしてもらえますが、後日追納しない限り将来の年金額には反映されません。
※免除制度を利用している場合には、将来受け取る年金に国庫負担分の支給はありますが、
保険料を免除された分、相応の減額された額が支給されることになります。
※未納期間がある方、学生納付特例や免除制度を利用したものの、10年を超えてしまって
追納できない方などが、老齢基礎年金を満額にしたい場合には、480月に足りない月数、
退職後60歳〜65歳までの間に市町村役場で国民年金任意加入の手続をして不足月数分の
保険料を納付すれば、満額の支給を受けることができます。
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